石積みの家と緑の庭の源

 3 アメリカ人女性が造った石積みの家、その2


その1の続き、その2です。
その1の家は知り合ったギリシャ人の彼の住居で、実際私たちが貸してもらって滞在していたのは、こっちのずっと大きな家の方です。同じ敷地内にあって、こっちもやっぱり同じアメリカ人の女性が造ったそうです。すごいです。主(あるじ)が主(あるじ)のように佇んでいます。

主(あるじ)後方のアーチの奥は、南欧によくあるぶどう棚の下にテーブルがしつらえている半屋外(半屋内?)になっていて、これを見て断然、ブドウ棚が欲しくなったのを覚えています。メインの玄関戸もここにあって、そこを開けるとピアノのある部屋に出ます。下の写真です。



ここは、とっても素敵な部屋で、壁に窓はないのですが、天窓があります。写真右上の端にそれらしきものが写っていますが、その効果で一日中、かなり明るい空間でした。ギリシャもそうですが、雨の少ない地方は天窓がよくあり、それはまさに、星を眺める窓だったことを思い出します。
他には家具らしいものはいっさいなく、壁をへこませて設けた作り付けの棚がある程度、そしてピアノです。
この奥に、3段ほどのステップがあって、ベッドマットが置いてあるベッドルームになっているのですが、この仕切りがアーチなのが、石積みの家ならではで、いつか取り入れたいアイディアだと今も思っています。


あまり、写真を撮る旅行者ではなかったので、今思うと記憶にしかなく残念ですが、この広い家のほうのキッチンもバスルームもとても素敵でした。(ちなみにちゃんと水も流せたんですね、こっちは・・・)

キッチンは古い仕様そのままだったので、石釜も壁に併設してあり(ただし使っていない)当たり前ですが、オール本物の大理石の作業台がありました。実際、ギリシャでは最も身近な材料の一つが大理石だったんでしょう、いたるところに大理石が普通に使われていて、なるほどと思ったものです。
バスルームは、高い位置に、いろいろな色の瓶の底をはめ込んだステンドグラス風の灯りとりがあって、そこから白い壁に光が差し込むと、壁に描いた動く絵のようで、お風呂場に行く楽しみの一つでした。

この家を造ったというアメリカ人の女性、とても素敵なセンスの女性だったんですね。
このシンプルな何もない空間で、この家に吹き込む風と、差し込む光を存分に楽しんだ時間、多分、今の石積みの家の源になっているかなと、思います。

2011/8/24 住民B

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