家といえば庭

土手のクリスマスローズ、左遷の末に by 住民B


土手に咲くクリスマスローズ
この土手に咲くクリスマスローズは、この場所に落ち着くまで、何度か庭のあちこちを転々としています。小さな株 をひとつだけ買い求めた事もあって、初めは、庭の真ん中の花壇にいました。目立つ良い場所だったのですが、背が低く下向きに咲く花だけに、平らなところに ある平らな花壇では、どうもしっくりこなくて、株が大きく育ってくるごとに、むしろ邪魔に感じていました。
やっぱりあります、好きで植えたはずの植物がどうもいただけない、、っていう場合が、、かといって処分するほどでもない時、我が家では、「左遷する」と呼 んで、やむなく影響の少ないところへ行ってもらうことにしています。そういうわけで、このクリスマスローズのことは、その後長い間、庭の隅に追いやったま ま、ほとんど忘れていました。そして、去年更に、前左遷先もユリに明け渡してもらう事にしました。
そしてやってきたのがこの場所。春になって、花が咲き始めると、その見違える姿にびっくりしました。降り積もった落ち葉の中から、頭をもたげてきて、庭の 真ん中にあったときよりも、より際立って存在感があります。何よりも、ここは土手になっていて、土手下は、我が家に来る道があります。そこから、土手に咲 くクリスマスローズを見上げると、下向きの花が良く見えます。そしてその背後には、そびえる林と、大きく広がる青い空が見えます。
ものが綺麗に見えるには背景が必要なんだと、改めて強く感じます。「左遷」の末に、偶然、最もぴったりの場所を得て、クリスマスローズも、やっと喜んで咲いてくれたのかもしれません。青い空と赤紫の花、満足の表情です。
クリスマスローズ
2008.4.8